20周年特別企画 歴代機材での作動確認

【5】 Libretto L1/060


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 筆者にとっては Windowd95 以来となる Me の Libretto でした.似た Portege というのを主力機としていた時期に購入したので,それとの使い分けで楽しめた機械でした.
 2006年末,中古品コーナーで見つけ,即決購入しました.2001年製のリース落ち機だったようです.中国へ持っていった形跡があり,キートップはほとんど磨耗していません.

 5年前の機種とはいえ,コンパクトな筺体の幅いっぱいに妥協のないキーボード,広大な表示能力を秘めた液晶モニタを備えています.
 なんと精悍なパソコンでしょう.型番としては PAL1060TNCM が正確なんでしょうが,たしかにこれも Libretto です.95 の Libretto とは別に,Libretto らしい Libretto だと思います.

 これを購入したころ,Windows 上で MSX を再現する MSXPLayer なるものに,ちょっと,はまっておりました.保存版のムックが三冊出ていました.で,まずソレ用に仕立てたわけです.天板に "MSX" のシールを貼ったり,しました.
 でも,それもすぐ飽きてしまい,シールはそのまま,しだいに Java 書き用になって行きました.とば〜っと縦長のリストを編集するのにちょうど良いのです.

Libretto

Deme(W) と DemeJ が作動している Libretto L1/060

 この機種の表示面積の変則さは,異常です.そもそも液晶パネルが 1280×600 と,高さが幅の半分以下.その中に,仮想デスクトップとして 1600×1200 まで表示できるのです.
 しかしコレ,いったい何に使うのか? 画像にしろ動画にしろ,何かを”鑑賞”するのは無理です.鑑賞する際には縦 600 の小さな画面で見るしかありません.全体の極々一部しか見えない仕様です.しかし,一部をピクセル等倍に表示して注意深く検討する,とかには向いています.
 縦に深いブラウザの画面でも,頁の一部しか見えません.しかし,全貌ではなく,個々の文章を熟読するのには適しています.要所要所の表や画像を注目したり,フィールドに記入したり,そういう事には向いているでしょう.
 いわば,写真や画や動画を”鑑賞”することを諦めた仕様です.

 で,筆者にとってはそれが非常に有用でした.Java で作っていた DemeJ は最大化すると縦に 840 ピクセルほどあります.これが余裕で表示できますし,リストや DOS 画面と並べて表示,対比しつつ検討できるのです.

 実際,1600×1200 は広すぎです.というか,ハードの 1280×600 と仮想の 1600×1200 の差が激しすぎます.この機種の特異性はこの差の激しさにあります.
 通常,他の機種の仮想デスクトップでは「すこし隠れている部分がある」といった感覚でしょう.見えていない部分を忘れがちです.しかしこいつの場合,「広大な領域の一部だけを覗いている」という意識が常にあり,はじめから見えていない広大なデスクトップを前提に作業することになります.
 使っている頭には”一部しか見えてない感”が常駐.使用感が全然違うのです.
 戦車の運転て,こんななのかも?

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